土地形状が価格に与える影響について

私たち不動産鑑定士は鑑定評価の対象となる不動産（対象不動産）について、価格に影響を及ぼす事項を現地及び机上においてチェックし、鑑定評価を行っています。このような不動産の価格に影響を及ぼす事項は「価格形成要因」と呼ばれています。

価格形成要因は、例えば不動産が接している道路の道幅や方位、間口と奥行きの長さ、面積の大小、形状などがあります。
ここでは、特に土地の形状が違うと、土地価格がどの程度違ってくるのかを、実際の不動産取引データをもとにご紹介したいと思います。

分かりやすい例として、袋地と整形地（おもに長方形）で土地の価格差を表とグラフにまとめてみました。下のグラフは整形地に対する袋地の価格水準を比率を求め、グラフに分布状況を表しました。取引件数が少ない市町村の場合など、一部異常値も含まれていますが、整形地の価格水準を1.00とした場合、袋地の価格水準は概ね0.60～0.80の範囲に多くが分布しているのが分かります。

つまり、㎡単価で比較すると、同じ面積の土地であれば、袋地の土地は長方形の土地よりも約2～3割程度安く購入することができるということになります。

※上記の表は国土交通省の土地総合情報システムのデータをもとに作成